株式会社アンドメンタル

アンドメンタル、主に在中国企業向けメンタルヘルス検診や社員研修、セミナーを行っております。

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〒852-8501 長崎県長崎市坂本1-7-1
長崎大学病院 精神神経科教室内

Dr.小澤の上海メンタルクライシス Q&A

第6回 子どもの不登校・子どものうつ

【Q6】

 小学5年生の息子と4歳の娘、妻と共に1年前に上海に赴任しました。
息子は最初は楽しそうにしていましたが、赴任から半年も経つと急に「学校に行きたくない」
とダダをこねたり、妹を叩いたりするようになりました。
現在ではほとんど登校していません。どこに相談をすればいいかも分からず悩んでいます。

【 A 】

 ご家庭の事情など詳しいことは分かりませんが、子どもも大人同様に落ち込んだり、うつ状態
になったりするということが、最近の研究で分かってきました。
 私たちが長崎県下で小学生5000人規模の調査をしたところ、5〜10 % が抑うつ的になってい
てもおかしくない状態で、中でも魚嫌いな子どもほど抑うつ群の割合が増加する傾向が認められ
ました。
 子どもの抑うつ状態の特徴としては「急にワガママを言うようになる」「ペットを叩く」「友
だちに意地悪をする」「兄弟を叩く」という行動に見られるように、落ち込むというより怒りっ
ぽくなったり、イライラしているように見せることが多いといわれています。
そのような状態が長引くと次第に本格的なうつ状態となり、食欲の低下、急に泣き出す、体重が
変化しないといった症状が現れる場合があります。当然このような場合には、興味も低下する訳
で、登校に対する意欲もなくなります。上記の場合、軽い抑うつ状態の可能性も否定できません。

 子ども抑うつの対応にはいろいろありますが、大人のうつ状態時の対応と同じように「慣れ親
しんだ場所での充分な休息」を取らせることが肝要です。またその場合、登校しないことに子ど
もが罪悪感を持っているケースも少なくありませんから、学校や保護者があまり「過剰な登校刺
激をしない」ことが大切です。
 必要であれば一時帰国も視野に入れて考えてください。同時に、子どもにもある程度の薬物療
法が効果的な場合もあります。少量の抗うつ薬もさることながら、抑肝散や柴胡加竜骨牡蛎湯と
いった神経の高ぶりを抑え、心と体の状態を改善させる漢方薬を使うのも良いかも知れません。
 私がよく勧めるのが漢方の母子同服という治療法です。これは、子どもの病気に母親と子ども
が一緒に薬を飲むことです。子どものメンタルトラブルには、母親も多くのストレスを抱えてい
る場合がしばしばあります。また、母親のピリピリと張り詰めた精神状態が知らず知らずのうち
に身近な子どもに伝わり、子どもなりに表現されて症状に現れているとも考えられます。よって、
そのどちらも治療しようという考え方です。
 1〜2週間すると子どもも母親も両者が落ち着いてくることが多いようです。そして、その次の
ステップとして西洋薬を使うこともあれば、私たちの研究のベースにある「魚を好んで食べる子
どもほど抑うつが少ない」という調査から、魚油を中心としたサプリメントを勧める場合もあり
ます。
 充分休養した後は、学校とのコミュニケーションは欠かせませんから、子どもを守るために、
保護者と主治医と学校とが同じテーブルでじっくり話し合う必要があるでしょう。
 また医学的な視点からの、学校での対応法や指導法を含めた連絡状「紹介状」を保護者に持た
せて、それを学校の先生に渡すという手段も私はよく利用しています。

小澤教授似顔絵_01

 

 

 

Dr.小澤の診察は、上海のセントミカエル病院 で受けることが出来ます。

詳しくは、上海診察室 をご覧になってください。

第5回 メンタルクリニック受診を会社に知られたくない

【Q5】

保険証を使って診察を受けると会社にメンタルクリニックに行ったことがわかってしまうのでは
ないかと心配で、なかなか受診する気持ちになれません。

【 A 】

医者はもちろんのこと、病院や保険組合には守秘義務があり、医療機関名や診療名を漏らすこと
はありませんから安心してください。
また、上海も含め最近の海外の大きなメンタルクリニックは、完全予約制で診療しているところも
多いので、誰かと鉢合わせすることもありません。
上海の日本人向けクリニックは、基本的に日本語対応スタッフも常駐していますし、国際的に承認
されているほとんどの薬を処方することができるはずです。
事態が大きくなる前に、辛くなったらすぐ主治医や家族に相談してほしいと思います。
小澤教授似顔絵_01

 

 

 

 

 

 

 

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第4回  発達障害? 子供の不登校

【Q4】

息子は小学校低学年の時あたりから、学校の先生からしばしば「忘れ物が多い」という連絡を
受けるようになりました。忘れものといっても筆箱などの小さなものではなく「ランドセル」
といった本来忘れそうもないものなのです。
本人はまったく悪びれた様子もなかったのですが、その癖は結局治らないどころか、徐々に
学校生活にも馴染めなくなり、中学校1年生で不登校になりました。
日本に帰国した後の将来を考えると不安でたまりません。

【 A 】

学校で起こりがちな子どもの問題行動の背景には、発達障害が隠れている可能性もあります。
知的に問題がなかったとしても、対人面でトラブルを抱えやすいアスペルガー障害や、集中力が
続かず落ち着きのない注意欠如多動性障害-ADHD-、また発達障害とは言えないまでも、読む、
書く、話すなどの特定の分野において困難をきたす学習障害-LD-などのため、集団生活に馴染
めずに苦しむ子どもが少なからず存在します。
いずれの障害も、低年齢のうちから必要なケアをすることで、成長後の本人の生きづらさを大き
く軽減することも可能です。
もともと人間の能力には偏りがあるのが普通で、大なり小なり得手不得手があるものです。
わざと手を抜いているように見えたとしても、本人は精一杯やっているつもりかもしれません。
たとえば、かけっこが苦手で完走するのがやっとなのに、「1等賞を取れなかったのはヤル気がな
いせいだ」と責められたらどうでしょう。問題行動をしつけ不足や本人の怠慢と決めつけてしまう
と事態が好転しないばかりか、子どもは萎縮してしまったり自信を喪失してしまったり、抑うつな
ど発達障害にともなう二次障害を引き起こすことにもなりかねません。
このような子どもたちは、どうしても親や教師に叱責されることが多く、友人間でもイジメの対象
になりやすいので注意が必要です。
ご相談のお子さんの場合、ADHDの可能性が高いかもしれません。
ADHDにおいては、薬物療法が著効することがしばしばあります。ADHDとの診断を受けたら、
必要に応じてメチルフェニデートやアトモキセチンなどの有効な薬を服用し症状をコントロールし
つつ、日常生活への適応能力をのばす理社会的療法に根気よく取り組んでいくことで、学校での適応
力が増していき不登校が改善されるかもしれません。
なによりもまず、両親がADHDをよく理解することです。そして、親を通して学校に問題を開示し、
配慮してもらうようにするという対応が非常に重要です。
兄弟がいる場合は、その子たちへの気配りも必要でしょう。
発達障害を抱えた子どもたちも、成長するにつれ徐々に問題を克服していくのでしょうが、現代の
管理強化型の学校はそれを待つゆとりを持ちません。昔に比べ、学校に適応しづらい状況にあるのも
事実です。
また、発達障害とは別に、家族、特に母親の心理状態が、子どもの情緒に反映されて問題行動に繋が
っているケースも見受けられます。海外赴任中という特殊な状況では、子育ての負担が母親に集中し
がちです。
お母さんご自身が多大なストレスを抱えていないか、抑うつなど、精神的不調を感じていないかを見
直してみることも必要でしょう。

小澤教授似顔絵_01

 

 

 

 

 

 

 

Dr.小澤の診察は、上海のセントミカエル病院 で受けることが出来ます。

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